ウィッグの素材でよく見るシルク、実はシルク(絹)じゃないってご存知でしたか?

ウィッグのシルクは天然繊維のシルクではありません

ウィッグを探しているときにこんなワードを見たことはありませんか?

「シルク素材」
「シルクスキン」
「シルク皮膚」

シルク…と聞くと言葉通り、天然繊維のシルク(絹)をイメージしますが実は、全くの別物です。

ではこの“シルク”とは一体何なのでしょうか?
正体は、メーカーによって意味が異なる“業界用語”です。

今回は、“ウィッグのシルク”とは何なのか、なぜ天然繊維のシルクではないのに、シルクと呼ばれるに至ったのかをご紹介します。

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女性医療用ウィッグ専門店です。

2008年の創業以来、治療中の肌ストレスをゼロにすることを目標に、ウィッグのベース生地や素材までこだわった製品を開発し、髪に悩みを持つ女性のお客様から高い評価を得ています。
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このコラムは、医療用ウィッグのベース生地を日夜開発・研究しているワンステップだからこそお伝えできる内容です。


ウィッグのシルクとは?

メーカーごとに固有の意味を持つ業界用語?

業界用語であるシルク。では、何を指しているのでしょうか。

ウィッグは帽子のように頭部を覆うベース生地でできています。ベース生地に用いるある箇所を指して“シルク”と呼びますが、ウィッグ業界全体で統一されているわけではありません。
こちらでは、ポピュラーな2つの“シルク”をご紹介します。

人工肌のつむじがシルクの場合

人工肌のつむじをシルクと呼ぶ場合の位置

ウィッグに付いている地肌を再現した部位「つむじ」を指して、『シルク』と呼ぶケースです。

ウィッグの素地は黒い生地が多く、そのまま髪を分けると真っ黒な生地が見え、不自然になってしまいます。髪を分けたときに「地肌」に見えるように、ウィッグの素地とは別に、専用の生地を重ね縫いしているのがウィッグの「つむじ」です。
素地とは違う素材を使用している場合が多く、特殊な素材を総称して『シルクスキン』や『シルク皮膚』と呼んでいます。

ウィッグのベース生地(裏地)の場合

ウィッグのベース生地(裏地)の場合の位置

ウィッグは頭部を覆うツバのない帽子のような形をしているのが一般的です。土台となる生地に髪を結びつける(植毛)ことでウィッグになります。

土台の生地をベース生地と言います。この場合では、肌触りや通気性の良いベース生地のことを『シルク』、または、髪をかき分けたときに地肌のように見える素材を『シルク素材』などと呼んでいます。

この2つがよく見られるのですが、それ以外の場合でもシルクと呼ばれながらもシルク(絹)ではなく、化学繊維のナイロンやポリエステルが使用されていることが多くあります。

ではなぜシルクと呼ぶのでしょうか。

※全てのシルク素材がシルク(絹)ではないということではありません。

メーカーの思いが語弊を生んでしまっている?

つむじやベース生地を“シルク”と呼ぶ理由

つむじやベース生地を“シルク”と呼ぶ理由

シルク(絹)というと繊維の女王とも言われるほど、滑らかで肌触りがよく、また、天然の調湿機能があり通気性も抜群と、魅力的な生地です。

そんなシルクのような肌触り・通気性・色味・見た目に近い生地を区別するために作られた業界用語が、“ウィッグのシルク”とされています。


しかし、何を以てシルクとするのかは各メーカーに委ねられています。
実際には化学繊維が使用されているため、天然繊維のシルクが持つ通気性や肌触りとは大きく異なっているのが現状です。


“シルク”違いでトラブルの原因に?

つむじ部位を指すシルクは、頭皮には触れないため、本物のシルクと思って着用しても大きなトラブルにはなりません。
しかし、ベース生地のシルクは、頭皮に直接触れることになるため、「天然繊維のシルクと思って購入したのに、実際には化学繊維でゴワゴワして肌トラブルが起きてしまった…」という事態も起こり得てしまいます。


また、一般に化学繊維は吸湿性・放湿性が低く、天然繊維のシルクのような通気性は見込めないため、着用してから頭が蒸れてしまったり、ベタついたりといった不快感を抱くことも。

試着の短時間では気にならなかったのに、長時間着用して合わなかったことに気づかれる方も多い箇所がつけ心地です。そのつけ心地を左右するのは、素材に何を使用しているか。後から使用素材が想像と違うことが分かるのはとても困ってしまいますよね。
では、誤った購入を避けるにはどうすればいいのでしょうか?

納得できるウィッグ選びのために。

納得できるウィッグ選びの方法は?

ウィッグの仕様をチェック!

▼ オンラインで購入する場合

ウィッグの仕様までしっかりとご確認いただくと安心です。
仕様には人毛・人工毛といった毛材から、ベース生地の具体的な素材<ナイロン・ポリエステル・レーヨンなど…>が記載されています。

天然繊維のシルクの場合は、各メーカーが業界用語のシルクと区別するため、「天然繊維のシルク」や、「絹」と記載している場合が多いです。

店舗で試着する場合

案内担当者に「ウィッグのベース生地には、どんな素材が使われていますか?」「つむじは何で出来ていますか?」と聞いてみてください。ウィッグのことをよく知る担当者なら、すぐにピンと来るため、スムーズに説明を聞いていただけます。


天然繊維のシルクはつけ心地が違う!

本物の天然繊維のシルクは、敏感な頭皮に優しい柔らかく滑らかな肌触りです。
肌触りだけではなく、暑いときは内部の湿気や汗を放湿、寒く乾燥するときは保湿する機能は、天然のクーラーと呼ばれるほど!


この2つの機能はウィッグとしても優れており、ベース生地に天然繊維のシルクを採用したウィッグは、「脱毛してから頭皮から汗がたくさん出るようになった」とお困りの方にもおすすめの、快適なつけ心地です。


まとめ

  • ● ウィッグのシルクは業界用語であり、「つむじ」や「ベース生地」など各メーカーで定義が異なる。
  • ● 化学繊維(合成繊維)か天然繊維か判断する方法は2つ。1つ目のオンラインではウィッグの仕様を確認すること。
  • ● もう1つは試着の際に、担当者に「どんな素材が使われているか」と質問すること。

いかがでしたでしょうか?
本来の意味と異なる業界用語は混乱してしまいますが、知ることで納得した上でウィッグを選びやすくなります!
よろしければぜひ、ウィッグ選びのご参考になさってください。

! ワンステップでは「つむじ」や「ベース生地」のことをシルクとは呼称しておりません。
誤解を避けるため、なるべくわかりやすい表現でご案内しております。


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