医療用ウィッグとは何か。医療用ウィッグ専門店が天然繊維にこだわる理由。

ご存知でしたか?
医療用ウィッグのベース生地(裏地)の多くには化学繊維が用いられています。

ウィッグ特有の着用時のチクチク感、かゆみ、こすれや炎症など、肌トラブルの原因にもなりやすい化学繊維は、業界で主流の素材です。
医療用ウィッグという言葉が生まれてから現在に至るまで、変わりません。

なぜ、“医療用”と称されているのに、ベース生地(裏地)は化学繊維なのでしょうか。

今回は医療用ウィッグ専門店として、医療用ウィッグとは何か、なぜ化学繊維が主流なのか、ワンステップが目指す医療用ウィッグとは何かをご紹介いたします。

✓ ワンステップは
女性医療用ウィッグ専門店です。

2008年の創業以来、治療や症状に適した医療用ウィッグを開発・販売し、髪に悩みを持つ女性のお客様から高い評価を得ています。
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このコラムは、医療用ウィッグとはどうあるべきかを追求し続けているワンステップだからこそお伝えできる内容です。


医療用ウィッグって
一般のウィッグと何が違うの?

医療用ウィッグとは?

医療用ウィッグの現状を知って頂く前に、医療用ウィッグとは何なのか簡単にご説明いたします。

医療用ウィッグとは、抗がん剤治療による脱毛や脱毛症、抜毛症や薄毛など、先天的・後天的にかかわらず髪を失った人の髪の代わりとなるウィッグです。

美容目的の一般のウィッグ(ファッションウィッグ)とは異なり、症状や悩みを抱えた方の精神に寄り添うため、アピアランスケア(外見のケア)の観点からも近年注目を集めています。


医療用ウィッグには
定義や規定が存在しない

上述のように「医療用ウィッグとは何か」を簡単に説明することは出来ても、医療用ウィッグには明白な定義などは存在しません。辞書を引けば出てくる言葉ではなく、造語のようなものだからです。

定義はないものの、医療用ウィッグはその用途上、「毎日長時間」「自分の好きなタイミングでは外せない」「症状を知られたくない方が多い」という特徴があります。そのため、各ウィッグメーカーは、見た目にこだわったり、ファッションウィッグには無い特性を備えた製品を販売したりしています。各ウィッグメーカーが考える医療用ウィッグを販売しているのが現在の状況です。


医療用ウィッグ専門店として、ワンステップが最も重視しているのは、「着用中のつけ心地」です。


医療用ウィッグのつけ心地が大切な理由

髪が脱毛し、刺激から守るものが無くなった敏感な頭皮。
地毛が生えている状態で着用するファッションウィッグとは異なり、敏感な肌に直接触れる医療用ウィッグのベース生地(裏地)のつけ心地は、生活の質に深く関わります。

つけ心地の悪いウィッグは着用している間、
チクチクする、ゴワゴワする、
なんだか蒸れてかゆい…
早く取りたい

といった、ストレスが生じます。
ケアするはずの医療用ウィッグで新たなストレスを抱えてしまうことになるのです。


医療用ウィッグなのに化学繊維?

敏感な頭皮の肌ストレスを
解決するなら天然繊維

肌ストレスに関するお悩みは、医療用ウィッグを着用している方からよくお聞きします。
肌ストレスは、ウィッグのベース生地(裏地)を変えるだけで、解決できるのです。


答えは、ベース生地(裏地)に天然繊維を使用することです。


考えてみれば、赤ちゃんの肌着や敏感肌の方向けの下着類に、化学繊維が使われることは少ないですよね。コットンなどの天然繊維の方が柔らかく刺激が少ないからです。

化学繊維

低コストで大量生産できるため、安価で購入しやすいことが特長。
型崩れしないが生地は硬く、繊維自体も吸湿・吸水性に欠けるので汗で蒸れやすく乾きにくい。

天然繊維

コットンに代表されるように触れた瞬間に伝わる柔らかい肌触りとさらりとした風合いが大きな特長。生地が柔らかいため、擦れても低刺激。繊維そのものに通気性・吸湿性・放湿性があるため、汗をかいても蒸れにくい。
反面、製造に手間がかかるため、化学繊維に比べて高価。

同じように、医療用ウィッグのベース生地に天然繊維が採用されていれば、肌ストレスを大幅に減らすことができます。

しかし、医療用ウィッグのベース生地の主流は化学繊維です。固く、通気性が少ないため蒸れやすい化学繊維は不向きです。
では、なぜ化学繊維は採用されているのでしょうか。

医療用ウィッグに
化学繊維が採用される理由

▲ 他社の医療用ウィッグのベース生地(化学繊維)

医療用ウィッグでありながら化学繊維が使われることが多い理由は、扱いやすいからです。

ウィッグは、帽子のように頭部に被って着用します。帽子と異なるのは、なるべくズレない構造を作らなければならないという点です。

ズレないということは、頭部の形を模したものを作らなければなりません。蓋をかぶせるようにピッタリと。
しかし人間の頭部は、単純な球体ではなく凹凸があり、複雑な形をしています。

ズレない生地を作るには、強度と伸縮性が欠かせません。覆い被せ、型くずれしないことが重要です。
化学繊維は、適度な伸縮性に加工することが出来る上、頑丈です。ウィッグの生地に必要な強度を持ち、植毛にも耐えることが出来ます。

天然繊維は繊細で柔らかすぎて、そのままでは頭部の形を保つことが出来ないのです。

その他にも、低価格・大量生産が可能である、といった理由から、医療用ウィッグには化学繊維が使われています。

よく言われる、
医療用ウィッグのJIS規格は?

医療用ウィッグにはJIS規格が存在します。医療用ウィッグの粗製乱造を防ぐため、日本毛髪工業協同組合の働きかけによって、2015年に成立しました。JIS規格には医療用ウィッグの特定の素材を定める内容はありません。JIS規格を満たしながらも、化学繊維の生地を採用することができるのです。


医療用ウィッグ専門店・ワンステップが目指す医療用ウィッグとは

医療用ウィッグだからこそ、
肌ストレスゼロを目指して

▲ モデル着用:
オーガニックコットンウィッグ『ファイブスター®』

ウィッグ着用中のつけ心地は生活の質にまで影響が及ぶことはわかっていても、大量生産するには、天然繊維は扱いづらい。

そんなメーカー都合の製造しやすい商品ではなく、お客様がストレス無く、自分らしく過ごせる製品を作りたい想いから、ワンステップの全ての医療用ウィッグは、裏地に天然繊維を採用しています。
また、使用しているのはコットンの中でも自然のままの豊かな風合いを持つオーガニックコットンと、なめらかな肌当たりと高い吸放湿性がウィッグに最適なシルクです。

オーガニックコットン

3年以上農薬や化学肥料(殺虫剤・枯葉剤など)を使用しない有機栽培で採れた天然の綿花。自然な環境で育てられたコットンは、柔らかく、治療中の肌に触れても安心の素材。

シルク

およそ5000年前から、なめらかな質感と光沢感で高級品として愛されてきた素材。蚕の繭から取れる糸で作られた生地は、肌触り、保湿、吸湿・放湿性(調湿性)に優れている。

この2つを選んでいる理由は、“医療用ウィッグ”と名乗るにふさわしい、肌ストレスの無いつけ心地を提供できると考えたからです。
医療用ウィッグの定義が曖昧だからこそ、私達は着用中の肌ストレスも無く、安全で安心できる医療用ウィッグの実現を目指し、日夜開発を行っています。


天然繊維の医療用ウィッグは、
肌にも環境にも優しい

天然繊維は肌に優しいだけではありません。
ワンステップが生地に採用しているオーガニックコットンは大地にも優しいものです。
オーガニックコットンは、地球にもたらされた豊かな自然を守る有機農法で栽培されています。殺虫剤の代わりに益虫であるてんとう虫を放ち、枯葉剤の代わりに季節が巡って落葉するのを待ちます。自然の恵みをそのままに栽培するからこそ、水や土壌を汚しません。
人にとって心地よい生活だけはなく、地球に住まう生き物にとっても快適な暮らしを守るオーガニックコットンは、着けた瞬間から包み込まれるような優しいつけ心地です。

JIS規格より厳しいパッチテスト

脱毛した頭皮は通常の頭皮よりもデリケートな状態です。ワンステップが行っているのは、健常なモデルを対象に行うJIS規格のテストよりも厳しい、敏感肌モデルにパッチを貼り付けて試験する、敏感肌モデル対象:24・48時間、閉塞パッチテストです。
第三者機関にも認められた、本当に安心できる生地を開発しています。


自然さもつけ心地も兼ね備えた“医療用ウィッグ”を、適正価格で。

天然繊維はその優れたつけ心地を提供する代わりに、とても繊細です。
ウィッグの裏地を作るにはまず糸から生地作りを行うのですが、医療用ウィッグのための天然繊維の生地を作るには研究と、確かな職人の腕が必要です。
ワンステップは世界でも有数の日本の国内工場と直取引することで、天然繊維の医療用ウィッグを適正価格で提供することを可能にしました。

糸づくりから始まる、ワンステップの医療用ウィッグができるまで

徹底した品質管理と、より良いものを作る飽くなき探究心がある日本国内の工場だからこそ、天然繊維のような扱いが難しい物でも作製することができます。

ワンステップは仲介業者を挟まず、繊維を糸に紡ぐところから、生地を織り、染色するところまで全て国内で行っています。
自分らしく過ごせる、肌ストレスゼロの医療用ウィッグを。その一心で製造しているウィッグは、大変ありがたいことにお客様から「こんな医療用ウィッグが欲しかった!」とお褒めの言葉をいただいております。


お客様の声

ワンステップウィッグをご使用されたご感想は?

兵庫県在住 S.R様 
髪のご症状:アナフィラキシーによる脱毛


アナフィラキシーになって、突然の脱毛で、ほぼ髪が抜け落ちてしまい、ネットでウィッグを購入したけど、不自然で頭皮の痒みが酷かったから、ワンステップで新たに購入しました。
とても、丁寧に対応して頂いて、髪型も気に入ってます!
つけ心地が自然で、頭皮の違和感もないので外出も、堂々と出来る様になって、とても、嬉しいです。
京都府在住 Y.A様 
髪のご症状: 抗がん剤治療による脱毛


初めに買ったウィッグは、長時間つけると痛みや痒みで皮膚トラブルになったため、
肌に優しいウィッグが欲しかったから購入しました。長時間つけていても痛みや痒みなく過ごせるので嬉しいです。
神奈川県在住 T.M様 
髪のご症状:全頭脱毛症


とても自然に見え、着け心地も良さそうだったので購入しました。
人当たりがよく、こちらのイメージを大事にしながらアドバイスもして下さいました。
アフターフォローに関してもとても分かりやすく説明して頂きました。
実際につけると、とても着け心地がよくかゆみもなく快適です。
ヘアアレンジも楽しんでいます。

※掲載された事例は個人の感想によるものです。

まとめ

医療用ウィッグには明確な定義や素材への指定がありません。
そのため化学繊維が今も主流です。つけ心地が合わないものは肌トラブルを引き起こす原因にもなり、着用される方の生活の質も左右します。見てわかるものではなく、長時間着けてみないとわからないため、ユーザーの方に厳しい状況が強いられているのが現状です。
そんな中、ワンステップは全ての髪の悩みを持つ女性が本当に安心して医療用ウィッグを選べるよう、2021年10月に自社のウィッグを全て天然繊維のウィッグにしました。

医療用ウィッグをこれから着用される方も、今まで着けたことがある方も、もっと自分らしくお過ごしいただけるような医療用ウィッグづくりを、これからも続けてまいります。


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ワンステップには、抗がん剤治療による脱毛や脱毛症、薄毛、抜毛症など、ご症状に合わせた医療用ウィッグの知識と、接客経験豊富な専任スタッフ・スタイリストが在籍しております。絶対に周囲に知られたくないという想いや、これからの生活への不安な気持ちに寄り添い、お客さまをサポートできるよう、さまざまな提案をさせていただきます。